Exhibition
一条美由紀展「秘祭―境界」
2026年9月26日(土)〜10月18日(日)
~仮面に託された時代の「祈り」。作家初の長野県内個展~
あわせて、NY・MoMA発祥の対話型鑑賞(VTS)プログラムを始動。作品を前に語り合う会を初開催
牛乳パックを使った独自の技法による版画を中心に、油彩、ドローイング、自作をAIで再構築した新作までが並びます。中心テーマとなるのは、祭りの仮面に人々の祈りを重ねた『秘祭』シリーズ。あわせて、台所に立つ人の姿を描いた『キッチンエンジェル』、その他近作、最新作を含めて約40点を展示します。福島県生まれ・埼玉県在住の一条美由紀の、長野県内では初となる個展です。
本展の構想は、ギャラリーの前の古大穴神社との出会いから生まれました。「初めて伺った際、私は目の前に鎮座する神社に深く心を惹かれた」と一条さんは語ります。日本古来の「祭り」とは、土地の神に祈りを捧げ、人々の幸福と繁栄を願うもの。そこで用いられる仮面は神の力を宿し、災いを引き受け、メッセージを伝える媒体でもありました。現代の世界の揺らぎに対する危機感も、日常の愛おしい時間も、すべてはひとつの「祈り」へと繋がっている――本展を貫くのは、その問いかけです。
また、art cocoon みらいは、本展を機に、新たな取り組みとして対話型鑑賞(VTS Visual Thinking Strategies)プログラムを始動します。作品を「見る」だけでなく、居合わせた人どうしで「語る」時間を、会期中に2回設けます。ニューヨーク近代美術館(MoMA)の美術館教育から生まれ、日本に導入されて教育手法として広がり、いまでは美術館や学校にとどまらず、ビジネス・医療の現場でも注目され広がっている鑑賞法で、当ギャラリーがオープン当初から実現を望んできたプログラムです。


開催概要
会期
9/26(土)~10/18(日)
13:00〜18:00金・土・日・月OPEN(火・水・木は休廊)入場無料
展示作品
約40点(版画、油彩、ドローイング、オブジェ、AIシリーズ ほか)
作家在廊日
9/26(土)、10/17(土)、10/18(日)
イベントのご予約
申込フォームよりお申し込みください
(公式LINE・お電話 026-405-6949 でも受け付けます)
★online shopは準備中。
★本展のドキュメント動画は準備中。
オープニングアーティストトーク「ドイツ留学でみつけたもの」
9/26(土)14:00~15:30
参加料:1,000円
定員:20名 (要予約)
※トーク終了後、作家を囲んでのレセプションパーティ(参加費無料)
1994年から2001年まで、7年に及んだドイツ・デュッセルドルフでの留学生活。その日々の思い出と、アーティストとして何を学んだのかを、スライドを交えて一条さん本人が語ります。
ワークショップ「牛乳パック版画を作ろう」
10/18(日)10:00~12:00
参加料:5,000円(飲み物付・作品お持ち帰り)
定員:5名 (要予約)
作家が実際に用いている制作方法を体験できるワークショップ。版になるのは牛乳パックの紙。プレスにはパスタマシーンを使います。あなたもすてきな版画が作れます!
※牛乳パックそのほかの道具はギャラリーでご用意します。汚れてもよい服装、またはエプロンをご持参ください。

【新企画】対話型鑑賞会
「みんなで見て、話そう。一枚の絵をとことん味わう」
10/3(土)・10/9(金)10:00~11:30
参加料:1,000円 小中高校生500円(飲み物付)
各回定員:5名
NY・MoMA発祥、教育・ビジネス界でも注目の鑑賞メソッド ── 対話型鑑賞(VTS)会を初開催。
「美術は難しい」「どう見たらいいのかわからない」――そんな方にこそ体験してほしいプログラム。一つの作品を複数人でしっかり観察し、ファシリテーターの問いかけをきっかけに、見えたこと・感じたことを言葉にしていく。美術の予備知識も、作品の解説も必要なく、正解もありません。誰かの一言で、さっきまで見えていなかったものが見えてくる――それがこの時間の醍醐味です。
本展のコンセプト
すべてはひとつの「祈り」へと繋がっている。
art cocoonみらいに初めて伺った際、私は目の前に鎮座する神社に深く心を惹かれたー。
世界が戦争や異常気象で混乱する一方、日本のテレビに流れるのは旅やグルメ、お笑いなど、どこか無頓着で生温い居心地の良さ。
この緩やかな停滞のなかで、静かに何かが迫っているような危機感を拭えずにいます。
本展では、ギャラリー前の神社に祈りを捧げるような想いを、作品に込めて表現します。日本古来の「祭り」とは、土地の神に祈りを捧げ、人々の幸福と繁栄を願うものでした。祭りの仮面は神の力を宿し、災いを引き受け、メッセージを伝える媒体でもあります。メインの『秘祭』シリーズは、神聖な力を宿す祭りの仮面に私たちの切実な祈りを重ね合わせました。
また、『キッチンエンジェル』では、誰かのために料理を作るという日常の一コマですが、これもまた食べる人の幸福を願った、ささやかで確かな「愛と祈り」の姿です。
世界の揺らぎに対する危機感も、日常の愛おしい時間も、すべてはひとつの「祈り」へと繋がっています。
会場で作品と対峙しながら、皆様それぞれの祈りのカタチを感じていただければ幸いです。
一条美由紀
出品作品例



.jpg)
「秘祭―伝言」2026 版画/「秘祭―受託」2026 版画/「キッチンエンジェル」2026 版画/「ナンバー」2026 版画
自分の手でつくった作品を、AIで「実写」へ――一条美由紀のAI写真シリーズ
今回の展示では、ふだん制作している油彩やドローイング、版画とあわせて、いくつかの「AI写真」作品を展示しています。これらの作品は、思うように筆を持てなかった時期に、過去の自作を元にして生まれました。
AIに丸投げするのではなく、自分の手で描いた絵を起点にし、AIとのやり取りの中で生まれる「ズレ」や「誤訳」を面白がりながら、何度も指示を重ねて再考し、途中や最後にPhotoshopで色味や質感を調整して仕上げています。 人間の迷いやこだわりが介在することで生まれる温度や奥行きを大切に、ふだんの油彩や版画とあわせてお楽しみいただけたら嬉しいです。(一条美由紀)


右:原作となるドローイング作品「出番前」
左:それをもとにAIで制作した作品


右:原作となるオブジェ作品「拘束のギズラ」
左:それをもとにAIで制作した作品

一条 美由紀(ICHIJO Miyuki) https://miyukiichijo.weebly.com/
福島県生まれ、埼玉県在住。1994年から2001年まで、ドイツのクンストアカデミー・デュッセルドルフ(デュッセルドルフ美術アカデミー)で学び、人間の内面のありように深く向き合う。版画、水彩、油彩、ドローイング、立体、そして最新のAI絵画まで、多様な技法を探求しながら、国内外の個展・グループ展で精力的に発表を続けている。帰国後の十数年のブランクを経て、50代から一気に活動を広げ、年間いくつもの個展を開催。隠された人間の本質に、鋭くもやさしい眼差しでアプローチする作風で知られる。2025年の「apricot season25」展(art cocoon みらい)にグループ展で参加しており、本展が長野県での初個展となる。
最近の主な個展
2026年 「アンダーラインを消去せよ」GALLERY SHELL 102(東京)
2025年 「一条美由紀 個展 -3日目の挿話-」GALLERY PEPIN 10TH ANNIVERSARY(さいたま市)
MIYUKI ICHIJO WORKS 一条美由紀展「歪んだ音階、偽の手紙」アトリエKアートスペース(横浜・石川町)
2024年 「方舟の乗客名簿」HIDEHARU FUKASAKU GALLERY ROPPONGI(東京)
最近の主なグループ展
2026年 ART TRACE GALLERY GROUP SHOW 2026 ART TRACE GALLERY(東京)
2025年 WAVE BLUE LURF GALLERY(東京)
APRICOT SEASON25展 art cocoon みらい(長野)
TEKENKABINET XIII GALLERY ART SINGEL(アムステルダム、オランダ)
「新・浦和画家」展 自然と社会 ― 川村親光から一条美由紀へ(さいたま市)
IPMAP25 - CONNECT KRUISRUIMTE IN EINDHOVEN(アインホーフェン、オランダ)/第68回 CWAJ現代版画展(東京)
2024年 「Druck - Kunst im Singular und Plural」(コブレンツ、ドイツ)
Anonyme Zeichnungen 2024 Kunstraum Kreuzberg / Bethanien(ベルリン、ドイツ)
Mini Maxi Prints Berlin 2024 Galleri Heike Arndt DK(ベルリン、ドイツ)